【第二回コラム】イギリス・バーミンガム運河における運河の再生と発展

運河は産業発展のため世界中のあらゆる大都市に存在し、モータリゼーションの変化により、水運は衰退。そして負の遺産になってきた類似の歴史がある。さらにその都市の主要産業が衰退すると輪をかけて都市が衰退する。

その負の歴史を再生していき、運河を中心とした機動的な街づくりをしてきた一つの例がイギリスはロンドンの北西約180kmに位置する、工業都市「バーミンガム」である。

我々が住む名古屋も産業都市であり、バーミンガムの試みは示唆に富む。
バーミンガムも以前は大英帝国を支える産業都市であり、運河が張り巡らされており、石炭輸送に水運を利用していた。バーミンガムの産業衰退の結果、運河は負の産業遺産となった。

人がおらず、そして人々から忘れ去られた運河。しかしながらバーミンガムは市をあげて運河の活性化に取り組み、様々な文化施設、スポーツ施設を運河周辺に配置し、水辺に店舗が張り付いてきた結果、運河に人がかえって来た。それはバーミンガム観光の中核に位置付けられ、街の活性化にも寄与している。

このように中川運河の活性化により、運河が魅力ある名古屋の観光資源にならないか。私たちは世界の街や運河を体感しながら考えていきたい。

田中大介