【第一回コラム】中川運河のエリアマネジメントに向けて

近年、民間が主体となって、特定地区のにぎわいの創出、公共空間の活用等を通じてエリアの価値を向上させるためのエリアマネジメント(エリマネ)取組が拡大している。
当該地区近隣では名古屋駅の周辺で企業体を中心に活動する「名駅まちづくり協議会」があり、既に全国区として実績を残している。全国的にエリマネの動きをみると、主に都市部において活動が具体化していくケースが多い。

私たちキャナルアートは、運河を「感性」によって活性化することで、街の魅力を向上、また活力を上げ、投資価値のある街として成長するという考えのもと、エリア内で様々な活動を続けてきた。過去にも行政と連携して様々なイベントも数多く実施していきている。

中川運河は港湾機能の一部として位置づけされており、運河沿岸の用地も、港湾機能に資するものだけに限定され、他の用途に使われることが難しい。現行の制度でできることは限られているわけだが、最近では「バーミキュラビレッジ」や「珈琲元年中川本店」に代表される、条例の一部緩和による民間投資による「パイロット事業」も見られる。

今後、沿岸でのプロムナードの整備が進むなか、エリアマネジメントの活動として、プロムナードを含む沿岸沿いの施設整備や管理運営等も行政とともに担う必要性がある。また、当該地区ならではのアート活動支援等も進めていく。

この水辺の魅力に魅せられた有志たちと、その思いに共感した仲間たちとともに活動を続け10年が経った。この活動に啓発され、多くの団体が生まれ新たな展開も生まれたと自負している。

来年度、延期になった世界運河会議が開催される。この一年、機運を高め、中川運河エリアマネジメントの指針をつくり、地元企業・住民たちとともに「感性」を磨きながら活動を続けていく。

藤澤 徹